バックナンバー43「免疫なし」
こんにちは、ベルの礒崎です。
先日、Wework内にて、とある新規事業の
説明会を行いました。
場所はWework丸の内です。
参加者は少なかったですが、
その参加者の中に、某大手企業の社員が
いました。
その会社は年間売上高1兆円以上、
社員総数2万人を超える会社です。
翌朝、その方から電話がありました。
話したいことがあるとのことです。
Wework銀座にてお会いしました。
その会社からは2名が来ていました。
僕と話したいと思った理由は、僕から
色々アドバイスをもらいたい、という
ことでした。
具体的には、現在同社(S社)内で抱えて
いる危機意識があるということでした。
どんな危機意識かというと、
続きは編集後記で、、、
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さて、本編に入ります
(前回からの続き)
説明会で聞かされたFXの運用代行サービス。
あまりにも夢すぎて、もう自分も申込
したくて仕方ありませんでした。
申込枠がなくなったらどうしよう!
そこでO氏に相談したら、来週また詳しい
説明を行なった上で申込手続きを進められる
からまた来てよ、という話になりました。
夢のような時間を終え、O氏の自宅をあとに
しました。
一緒に連れてきた中学校時代の同級生も
夢にやられてボーッとしていました。
礒崎
「すごかったね。こんな世界があるんだね。」
友人
「驚いたよ。O氏もとても親切にしてくれて。」
礒崎
「本当に豊かな人って寛大なんだね」
友人
「あのお兄ちゃんも、あんなに若いのに立派だよね」
礒崎
「ただなあ。俺、準備できるお金ないなあ」
友人
「だったら俺のお金、貸してあげるよ。
300万円あるから150万円貸してあげる。
お互い150万円ずつでやろう。」
礒崎
「え?!それは悪いよ!!」
友人
「いや、お前に紹介してもらえなければ
こんなチャンスに巡り合えなかったからさ。
感謝の気持ちだよ。」
礒崎
「うわー、、ありがとう!!!」
こんなような会話を交わしたと記憶しています。
お互い雇われの身しか経験したことが
ありませんでした。
免疫が全然ありませんでした。
津波のようにやってくる衝動に抗う術を
まったく持っていませんでした。
数年前、こんなセリフを聞いたことが
あります。
「幸せなお金持ちが何とかかんとか」とか
「破壊的不動産投資が何とかかんとか」と
いったようなタイトルの本を執筆しており
巷ではかなりの有名人である2人が会議室で
打合せしていた時に出たセリフ。
「サラリーマンを騙すのはカンタンだからね」
まさにその通りです。
心の底からそう思います。
一寸先は闇が待ち構えている投資の世界、
事業の世界において、サラリーマンは
精神的に無力すぎるのです。
単に、無闇に何でもかんでも疑ってかかって
どうにかなるものではありません。
学生時代の知性、雇われの身の時に必要と
なる賢さ、というのは
野蛮な野生動物ばかりが、柵もなくウロウロ
しているかのような投資の世界、事業の世界
ではまったく通用しないのです。
しかし当時は自分の何がどうダメなのか
判断のしようがありませんでした。
そんな危うい状態のまま、次の訪問日を
迎えることとなったのです。
(次回へ続く)
【 編 集 後 記 】
どんな危機意識かというと、
このまま何も変化しないで今のまま、
本業を推進していくのは危ない、
何か大きく変化して変革を起こして
いかないと
時代に取り残されてしまう可能性がある、
ということでした。
S社の社内の雰囲気はどこか閉塞感があり、
このままではとても変革を起こせるとは
思えない、
だったら見どころのありそうな社員の
勤務場所をWeworkに移して、
何か見つけてこい、刺激を受けてこい、
という上の意向があり、今月からWeworkに
移ってきたのだそうです。
そしてWeworkにやってきたのですが、
これまでのところ、
特にこれといった刺激や影響は見つけられず
過ごしていたそうです。
会社に対しては、
Weworkに入った結果の成果物、
というものを何かしら提出しなければ
ならない状況にもあるらしく、
困っている様子でした。
しかし昨日の私の説明会に参加し、
私の話を聞くことによって、
新規事業とはこうやって発想し、行動に移し、
ガンガンやっていくものなのか、
と気付かされるものがあったらしく、
もっと話を聞き、アドバイスをもらいたい、
ということで社員をもう1人連れて、
わざわざ銀座Weworkまで来てくれました。
そこで私なりに、
「もし私がS社の社長だったら」と考える
必要があると思い、S社が本業を通して
世の中に対して何を成したいと思って
いるのか、どんな人達にどんな風になって
もらいたいと思って現在の事業を選択して
いるのか聞かせていただきました。
それを踏まえた上で、自分だったら
どんな行動を取るか私なりの主観を
ご説明したところ、それなりに参考に
なったらしく、とても喜んでいただけました。
私は彼らとのやり取りをあとから反芻し、
色んなことを思いました。
まず、大企業が抱える危機意識はよく分かる。
でも、このままでは何もできないのもよく分かる。
そう思いました。
なぜそう思ったか。
理由は簡単です。
小規模事業者であろうと、大企業であろうと、
変革する、というのは大変なことだからです。
そしてなぜ大変なのか、その理由は、
ある決定的なことが欠けているからです。
会社規模は関係ありません。
その欠けているものとは何か。
それは、気迫です。
知性とか経験とか資本力とか人脈とか
全然関係ありません。
どれくらいのレベルの気迫かというと、
本当の本当に、確実な死を予感するくらい
極まった状況において、万策尽きた、
もうダメだ、というくらいの死線の淵に
おいても、最後までファイティングポーズを
崩さずに、生き残ってやる、と
恐怖を両目で睨みつけて向かっていくほどの
気迫です。
この気迫、メンタリティがあって初めて、
変革が起こせます。
これは修羅場を何度もくぐり抜けて
鍛えなければ手に入りません。
気迫があるからこそ、信じられないほどの
集中力が高まります。
集中力が高まると、目の前の情報、たとえば
人の発言のひとつひとつ、顔の筋肉の動き、
街の変化などなどといった情報を、
すごく細かく観察してしまうようになります。
そして、細かく集めた情報の意味と
いうものを、ものすごく深く掘り下げて、
いつまでもいつまでも検証するようになります。
すると、そこからビジネスチャンス、
新規事業のタネというものが見えてきます。
というより、目の前の現実情報が自分に
囁いてくれてる声が聞こえてくるように
なります。
そういう特別な聴覚が手に入ります。
ビジネスをする、というのは、本質的には
お客様や従業員、その他関係する
全ての人々を、自ら描いたビジョンへと
導く行為だと思っています。
99%の人々が絶望で打ちひしがれるで
あろうと思われる状況にあっても
未来に目を向けて突き進んでいけるからこそ
人々を導くことができます。
修羅場で真っ先にへこたれてしまうようでは
人々を導くことは難しいです。
大企業で、しっかりとした、
社会的信用の高い、
社員というブランド感満載のポジションは、
その気迫が最も養われない立場なのです。
ある意味において特権階級だからです。
でも社長としては自社の社員に命じて
変革のタネを見つけてこい、と言わざるを
得ません。
ここに構造的な矛盾があるわけであり、
堂々巡りが終わらない理由なわけです。
ただ、私はここで
「だから大企業はダメなんだ」と
言うつもりはありません。
構造的矛盾を抱えながらも、
でも何とかしようと一生懸命に思って
もがいている姿もまた素晴らしいと
感じました。
私はお二人に一生懸命お話しました。
同時に彼らの目、表情、動きを細かく見て
いました。
その姿は真剣でした。
彼らの姿は、決して会社に言われたから
仕方なくやっている人間の姿には見えません
でした。
なるほど、さすが大企業S社だ。Weworkに
送り込む人選にはぬかりがないな、
と思いました。
そんな彼らの真剣な姿を見て、
自然と何か役立てることはないだろうか、
という思いに駆られました。
ちなみに、これこそがコミュニティの力で
あり
Weworkが実現したいと思っている世界観
だと思います。
私は2006年に、わざと自分を死の淵に
追い込みました。心を鍛えるために。
なぜ心を鍛えようと思ったかというと、
今後どんな選択をしようとも、
鍛え抜かれた精神を求められることになるで
あろう、と思ったからです。
だったら未来において必要とされるものは
早めにサッサと手に入れようと思ったのです。
そしていま、大企業から小規模事業者、
個人に至るまで、その力があるかどうか、
強く問われている時代に、ついに本格的に
突入しつつあるな、と感じています。
そんな中で、本当に真剣に自分を必要と
してくれている場に出向き、何かしら
役立つことができたら、とても嬉しいなと
思っています。